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『プリズン・サークル』関連情報

関 連書籍のご紹介です。 『 プリズン・サークル』 坂上香 著 / 2022年 / 岩波書店 https://www.iwanami.co.jp/book/b600988.html 『根っからの悪人っているの?: 被害と加害のあいだ (シリーズ「あいだで考える」)』 坂上香 著 / 2023年 /  創元社 https://www.sogensha.co.jp/productlist/detail?id=4759 上映会の企画の準備をする時に見つけた記事をいくつか紹介します。 映画の内容も出てくるので、もし全く事前情報無しで『プリズン・サークル』をご覧になりたい方は、観賞後にご覧ください。 Hanako Web: “あなたが悪い”のその先へ。受刑者の再生物語から学ぶ、自分の感情との向き合い方 https://hanako.tokyo/sustainable/406878/#heading-1 マガジン9: 坂上香さんに聞いた:刑務所での「対話」がもたらす、罪の意識と責任の自覚 https://maga9.jp/200122-3/

『プリズン・サークル』を観て思ったこと

ともに自主上映の会の柳です。一人でも多くの方に見ていただきたいと思い、『プリズン・サークル』の私なりの魅力をお伝えしたいと思います。 この作品を知り、どこかぼんやりと自分の中に存在していた「対話」に関する知識が、だんだんとその輪郭を感じ取れるような感覚が出てきました。 暴力に頼らない問題解決力を身につけたいとずっと考えてきましたが、対話にはその力があるだけではなく、対話をする相手を通して、自分だけでは辿り着けない考え方や、相手そして自分のあまり気づいていなかった部分を知ることができる、そんな可能性をこの映画から受け取りました。 残酷な事件の加害者に関する報道があると、その報道を見た人から加害者に対する厳しい意見、重い刑罰を望む声が出てきます。 そこでふと、自分も加害者になるかもしれないことに気がつきました。 注意が足りず車の運転中に歩行者を傷つけてしまうかもしれない。メンテナンス不足で自宅の何かが落下し、そこに偶然通りかかった人を怪我させてしまうかもしれない。気軽に関わった仕事が、犯罪に関わるものだったかもしれない。 そうなった時、加害者に対してどんな社会であって欲しいか。 安心して過ごせる社会ってどんな社会だろうか。 子どもの頃、親の貯金箱からお金を取ってスーパーに置かれていたジャンケンゲーム機に全て使ってしまったり、親戚の家に預けられた時は従姉妹の持ち物とわかっているのにシールやレターセットを持って帰ってしまったことがあります。 これらのことは今思い出すとすごく苦しくなります。普段は忘れて日常を過ごしていますが、何かをきっかけに過去を振り返るたびに思い出してしまい、重たい気持ちになります。 けれどその当時は、苦しくなることも気が重たくなることもなく、なっていたとしても気がついてはいませんでした。 ではなぜ何年もたった今、気持ちの重たさを感じるようになったのか。それは、人と関わり合い、社会の中で様々な体験をして、家庭の中だけでは育たなかったであろうたくさんの感情が育まれたからだと思っています。 これを打っていて思い出したのが、高校に入学したてのある日のことです。その日私は母と一緒に靴屋さんに行って買ってもらったおしゃれなスニーカーを履いて行きました。その靴は、自転車通学のことを考えて、動きやすくてシンプルなデザインのもの、と母と一緒にこだわって選んだスニーカーでし